土は焼くことで形を留め、 制作の最後は私の手の内から離れることとなります。 火に委ねた土の表情は、想像を超越し、私の固定概念を打ち砕きます。作品に自己矛盾を含ませないよう、浮かび上がる曖昧なイメージを疑い、幾重にも粘土を積んでは崩します。土が放つ声に耳をそばだて、表情をうかがい、純粋な思いを抽出しながら制作すると、導かれるかのように、かたちは丸と三角と四角を組み合わせたシンプルなものに仕上がって行きます。制作は、自然を敬い、素材を尊重し、積み木で遊ぶこどものように自由に、そして自分に正直でなければならないと思っています。私の作品は、尊い自然と、私の心奥から湧き出たかたちとが共存したものです。